2014年3月8日土曜日

ウィスキーを抱えて脱線する

あまりにも寒い日が続くので、ウィスキーが飲みたくなりました。
いつもはワインしか飲みませんが、ワイン程度じゃ体が温まらない。
で、帰り道にある酒屋に立ち寄り、手頃なウィスキーを物色しました。
ウィスキーはバーでこそ飲みますが、妻が強い酒を気にするため、家では時折もらい物を楽しむ程度で普段は口にしません。
だから知っている銘柄も少なくて、何を選んで良いかさっぱり分からず、勘だけを頼りにスコッチから1本を選びました。

売り場の棚を見ていて気がついたのですが、かつての高級銘柄「オールド」とか「リザーブ」、ずいぶんと安くなってますね。学生のころは「オールド」なんて絶対に買えず、いつも白とか赤とか、頑張っても角でした。もちろん味なんて分からないから、安けりゃいいのですが。
今は当時のちょうど半額ですが、その間にいったい何が起きたのでしょう。
同時に外国の銘柄も安くなっていて、結果、国産とあまり差がなくなってます。
かつてヒラのサラリーマンは、スコッチの瓶に国産のウィスキーを入れて見栄を張ったと聞きますが、これではどちらに入れようが特別な意味がないわけです。

話は脱線しますが、ウィスキーの世界には5大銘柄とかありまして、スコッチにアイリッシュ、ケンタッキーにカナディアン、そしてジャパニーズ!!
わたし酒飲みなので、外国に行くとからならず当地の酒屋に行って、地元で飲まれている典型的な酒をリクエストすることにしています。
で、ここ10年くらいの傾向ですが、上等の酒屋に行くと酒蔵の奥深くに、一番偉そうに鎮座しているのがジャパニーズ・ウィスキーなんです。それもガラスケースに入っていたり、手の届きにくい高さにあったりと。
その光景には、日本人としてちょっと感動しますね。
もちろん日本酒だって、最高級のレストランに行くと、必ず酒のリストに並んでいるそうです。残念ながら行ったことないので、詳しくは知りませんが(笑。

無事ウィスキーは買ったものの、さてオカズはどうしようか。
とにかく体が冷えて飲みたかったので、酒優先でメシは適当に済ませようと決めた。
で、スーパーの総菜コーナーに行くと、ちょうど揚げたてのコロッケが出てきたところでした。
これこれ、これです。古来よりウィスキーの当てには、熱々のコロッケと決まっている。異論は認めない。
今夜の晩飯はウィスキーとコロッケであっさりと決まりです。

再び脱線ですが、去年見た映画で名匠ケン・ローチの「天使の分け前」が、ウィスキーをテーマにしたとてもかわいい作品でした。
どうしようもない不良が、社会奉仕活動命令をきっかけにして立ち直り、ウィスキーを極める道に進むというお話。
シンプルなストーリーですが、なにしろ名匠ゆえに語り口がうまい。
映画館の観客の多くが、思わず小さな悲鳴を上げるシーンがあって、もちろんわたしも、それが観客の一体感を醸して最後は幸せなエンディングを迎えることができました。
映画の最後は、「希望」で括るのが鉄則。おじさんがスコッチをチビチビと舐めながら、くつろいで観るのにぴったりの映画でした。

ちなみに原題の「エンジェルズ・シェア」という言葉を知ったのは、今は亡き開高さんのエッセイでしたが、ウィスキーを飲む姿が実に絵になる人でしたね。

最後に、肝心の今夜買ってきたウィスキーですが、端的にわたしはこういう種類の酒が好きです。
おそらく誰からも好まれる、ほどよいバランスと、ウィスキーらしい個性も併せ持ち、味に際立った押しつけがましさがない分スムーズで、知らず知らずのうちに飲み過ぎてしまいそうな感じのするウィスキー。
毎日飲むには、いや本当は毎日はいかんのでしょうが、こういう良妻賢母型?の安定感のある酒がいいと思います。
あっ、ひょっとするとそんな酒の方が飲み過ぎて、かえって体に毒かもしれませんね。これは良妻賢母を装った悪女なのだろうか?

2 件のコメント:

  1. デュワーズ、ブレンデッドのいいチョイスですね。
    以前書かれていたオイルサーディンが肴には抜群だと思います。
    当方は、最近日本酒ばかりで。ぬる燗がよいですよ。

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  2. ちょっと甘口の日本酒をぬる燗で、というのが好みです。当てには熱々の大根とか「このわた」があると最高。ええ、想像しただけでも、喉が鳴りそうになります(笑。
    しかし遺伝的に血糖値に不安があるので、あまり口に出来ないのが口惜しい限り。
    酒と上手に付き合うのは、けっこう難しいものですよね。

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