2011年3月14日月曜日

雑感

あまりに激しい揺れに、いよいよ「その日」がやってきたと直感した。とっさに安全な場所に体を寄せて、手足を踏ん張って転ばないようにする。恐ろしいのは、建物が揺れることではなく、周囲の音そのものだった。何かが崩れ落ちる音や、警報機、人の悲鳴などが、冷静さを奪う。一度揺れが収まっても、再び音が鳴り始めると、自然と体が緊張していくのが分かった。もう一回り大きい揺れが来たら、ここもお終いかと覚悟した頃、最初で最大の揺れが収まった。

幸いこれといった被害はなかったが、時間が経過するに従い、じわじわと胸苦しさが募ってくる。周囲の人々が冷静に振る舞っているのも、むしろ緊急状態で同調圧力が高まり、ストレスに耐えているようにしか見えない。そして、寝床に入ってもほとんど眠れず、ちょっとまどろみかけたと思ったら、携帯の地震警報で何度もたたき起こされる始末。被災すらしていないのに、次第に疲労が蓄積していくのがわかる。備蓄は日頃から心掛けているので不安はないが、先の見通しが立たないというストレスは想像以上である。

昨夜、報道番組ばかりで疲れてしまい、録画していたバラエティ番組を見た。昔から気に入って見ている「探偵!ナイトスクープ」である。関西人なら誰でも知っている、笑いあり涙ありの長寿バラエティ番組。それを見て二晩ぶりに笑い、酒を飲んだ。生真面目な人ならば眉をひそめるだろうが、わたしはじっと耐えるのが苦手である。だって、これからがとても長いから。たびたび笑っていないと、ちゃんと隊列すら組めない不器用な人間もいるだ。国民が一丸となって難局に臨むのは素晴らしい。だが、国民が一色になるのは、ちょっと困る。

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