2007年7月9日月曜日

携帯電話


滅多に物を欲しがらない妻が、珍しく携帯電話が欲しいと言い出した。よほど困っていたらしく、すぐに連れ立って近所の電話屋を見て回るが、二人してたちどころに疲れ果ててしまった。というのも、店の人と会話のリズムが噛み合ない、何を言っているのか理解できない、こちらの問いに対して端的な答えが返って来ない等々、猛烈にストレスが溜まって買い物をしようとする気が失せてしまったからである。

複雑で理解しにくい商品は、例の加工食品会社と同じで、多少なりとも嘘が混じりやすいものだ。だったらできるだけシンプルな料金体系で、複雑な機能を持たないものが信頼できるだろうと考えた。そこで改めてプリベイド電話を探してみると、期待に反して電話のデザインは嫌がらせのような出来で、いかにも商売する気がないという雰囲気が伝わってくる。それでもプリベイド事業を続けているのは、現在も使い続けている顧客への、たぶん最低限の責任を果たしているというのが本音だろう。音声通話のみで年間1万円ぽっきりでは、電話会社も稼ぎようがないというわけだ。

結局、例によっていつもの展開となり、最低限の機能、我慢できるデザインの、出来るだけ安くて、単純なプランを選べる電話はないにかと探したら、たったひとつだけ、写真の電話が最後に残った。何の個性もなく、これといった印象もないが、逆にこれから何年も使おうと思うと、これくらい素っ気ない方が愛着が沸くというものだ。それにしても携帯電話の料金プランの複雑なことといったら、そしてオプションの不明朗なことといったら、まるでジャングルの暗がりに迷い込んだ遭難者のような気分である。

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