2007年8月21日火曜日

オトコの日傘

これだけ暑い夏が毎年やって来るようだと、服装だって大胆に変えないと愚かだ。今日、JTBの営業所に行ったら、男性職員がアロハシャツのようなものを着ていて、とても羨ましく感じた。必ずしも似合っているとは言い難かったが、明確な合理性があるため、見ていて少しもだらけているという印象を受けなかった。むしろ、冷房を効かせてスーツにネクタイ締めて仕事している方が、社会性を疑われるような時代になりつつあると思う。

わたしの理想は、はっきりとしている。昭和30年代の犯罪映画に出て来る、あの夏場の聞き込みをやっている刑事の衣装だ。もちろん開襟シャツ、腰には日本手ぬぐいぶら下げて、扇子を忙しく動かしながら、仕事の途中で山盛りのかき氷を食べているタフガイ。例えばだみ声の藤岡重慶みたいな男が似合いそうな格好か。カンカン帽に絽の着物というのも憧れるが、およそ堅気と受け取ってもらえそうにないので、このハードルは非常に高い。いまのところは、休日にパナマ帽をかぶって外出するのが精一杯だが、せめてそれ以外でも普通に帽子をかぶれる時代がくればいいと思っている。

ところがだ、世の中にはオトコの日傘を普及させようとしている人がいるのだから恐れ入る。たとえばスーツ姿に帽子をかぶっただけでも、禿げてるのかしらと邪推されるのに、もし日傘を差そうものなら「どこの人?」と思われるのがオチである。もちろん機能的には、盛夏に日傘はきわめて理に叶っているし、撥水性があれば突然の夕立にも対応できる。どっちも有りだとした時、わたしならば帽子より日傘を選ぶかもしれない。だけど、現実問題として、日傘を差して仕事に行くなんて、そうとうな割り切りが必要だろう。政府主導で、いっそのこと内閣全員で日傘を差して、恥ずかしくないオトコの日傘を宣伝するのもいいかもしれない(もちろん内閣支持率は微妙だろうが)。

2 件のコメント:

  1. 匿名27.12.07

    はじめまして♪
    ギャンブラーさんのところから参りました

    >わたしの理想は、はっきりとしている。
    ・・・・・せめてそれ以外でも普通に帽子をかぶれる時代がくればいいと思っている。

    この感性、私も同感です♪
    開襟シャツにダボダボのズボン
    ああいう服装を、日本の叔父様は、何故しなくなったのでしょうか?
    松本清張さんの【張り込み】のファッションもこんなのでしたっけ・・
    裕次郎さんの文芸物の映画とか、小林桂樹さんもよく着られていましたよね!
    叔父様だけでなく、少年のこういう格好も大好きです

    ちなみに夏はパナマ帽もいいですが、秋冬にはさりげなくツウィードのハンチングなんぞをかぶっている男性も素敵だと思います♪

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  2. 匿名28.12.07

    マロニエのこみちさん、
    はじめまして。

    わたしが帽子を好むのは、帽子を被る時の仕草が素敵だからなんです。映画のシーンでも、その時のちょっとした具合で、登場人物の様々なニュアンスが読み取れますね。そのさりげないけど、実に豊かな自己表現が、生活の中から消えつつあることに、とても残念な思いがあります。

    少し以前の映画だと、ケヴィン・コスナーの「アンタッチャブル」なんかがよかったですね。もしも、登場人物から帽子を省いたら、アカデミー賞もなかったかもしれないと(笑。それぞれの役柄に、ほんとうに帽子がよく似合ってました。

    今の時期は、ハンチングではありませんが、ツウィードの帽子を楽しんでます。ハンチングは好きなんですが、わたしの場合、絶対駄目なんだそうです。鏡を見ると、確かにそうかもしれないなあと思います。

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