2007年8月20日月曜日

夏の相棒


朝一番の仕事は、家中の窓を全開にして、中にこもった熱気を外に出す。その間にバケツで水を汲み、外の植物たちのご機嫌伺いをする。土の乾燥具合を見たり、葉や茎に害虫が取り付いていないかを調べ、目に付いたものは片端から駆除する。彼らなりに懸命に擬態しているのに、早朝から運の悪い虫である。

この作業が一段落したら、ホーズの1ガロン入りジョウロで水を遣る。最初は先端の穴あきを外して、木々の根元に素早く水をまわす。一通り終わったら、今度は肩の高さまでジョウロを持ち上げ、埃を被った葉を雨で洗うように掛けてやる。疲れきった葉が生気を取り戻し、艶々と光ってくる。ハーブたちの強い香りが、朝の眠気を吹き飛ばす。これがガーデニングのささやかな喜びというものだ。

夏の朝は毎日欠かさず、この作業を繰り返す。もちろん家を空けることはできない。3箇所のヴェランダに散在するバラや観葉植物、いまだに名を覚えられない木々の鉢、1日だって目を離せない草花たちに酷暑を乗り切らせなくてはならないからだ。バケツの水を何杯も汲んできて、無骨で重いイギリス製のジョウロを振り回すのは、やっぱりオヤジの仕事。使い始めて10数年になるがびくともしない、夏の仕事の実に頼もしい相棒なのである。

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