2007年9月5日水曜日

鉛筆削り

近頃の文房具、妙に高級なものと、いかにもファンシーといったものに分かれてしまい、実用一点張りというカテゴリーが縮小しているように感じる。その実用一点張りの分野でも、なにがしかのストーリーが貼り付いている製品があり、それがまたたまらなく胡散臭く感じるのだ。そりゃどんな製品の背後にも人間が存在するのだから、大なり小なりドラマがあるのは承知のうえ。でもそれを前面に出して売るのは、ちょいと野暮じゃござんせんか、とね。

実用のものはそれらしく、几帳面で、無愛想にしていてほしい。シツジツゴーケン、というあれだ。真っ黒で、四角四面、いつも机の隅っこで忠実な番犬のようにじっと出番を待っている。そんな文房具を長く使っていると、単なるモノではなくって、大切な友のように感じるようになるのである。ちょうど、この鉛筆削りのように。

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