2007年11月4日日曜日

ミッドタウンへ

六本木の東京ミッドタウンに、イベントを見学しに行ってきた。以前たびたび遊んだ場所なので土地勘はあったつもりだが、久しぶりに立ち寄ってみると、周辺風景の激変に方向感覚を失ってしまう。街並が変わることは、決して否定的ではないのだけど、脈絡を欠いた都市開発は居心地の悪さばかりを感じる。そもそも、東京の中心部にあたるこの地域を、たった数年で再開発するという計画そのものが、せっかちで無茶な要求なんだ。

街の印象としては、「デザインをテーマに日本の新しい価値と感性を世界に発信する」という、デベロッパーの意気込みとは裏腹に、その企画の射程範囲、とりわけ時間軸の短さが目立つ。つまり、今、現在は最先端かもしれないが、その新しさが数年後にはとても時代遅れに見える危うさを感じるのだ。それは、スピードと利回りを本質とするビッグビジネスが、ソロバン片手に行う都市計画の宿命なのかもしれない。


さて、デザインをテーマとしたこのイベントだが、印象に残るものがほとんどなくて、ブログに書こうとしても何を書いていいのか分からない。あくまで見た範囲内でのことだけど、一体何を世界に向かって発信しようとしたのかが見えなかったのである。思えばむかしにもそんなイベントがたくさんあって、予算余ってるから兎に角人呼べみたいな景気のいい時代だったころのことだ。羽振りの良さそうなアジアの旅行客が多く目につくフロアで、わたしにとってはデザインの今を感じるより、日本のあの頃と今の落差の大きさを再確認する皮肉なイベントになってしまった。

なかには楽しいイベントがあったのももちろんであり、たとえばここでの展示物は他で見たことがなかったので、今回は例外的に印象に残った。ただ専門的知識があればもっと楽しめたと思うので、そのあたりの工夫が足りないのが少し残念。

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