扉のつまみ

今の家に引っ越してきた時のこと、物置が少なかったため、生活に必要な小物たちを収納する場所に困ってしまった。そのときたまたま目に入ったのが、通信販売の家具の広告チラシだった。奥行き15センチ程度の薄さで、扉の付いた背の高い収納家具。それはビデオテープや石鹸、シャンプーの買い置き、その他分類できない雑多な小物が、すっきりと収まる棚だった。急場しのぎだが、廊下に並べても狭さを感じさせないし、揃えて並べればそれなりに使えるかもしれないと考えた。

ところが数日後、送られてきた商品を見てみると、カラーボックスを大型化しただけの、想像以上にペラペラの安物だった。所詮一時しのぎだからと、自分を納得させようとしたが、とりわけプラスチックに銀メッキしたピカピカ光る扉のつまみが気に入らない。わたしは貧乏は平気だが、貧乏臭いのだけは我慢がならないのである。しかし荷を解いて、組み立ててしまった以上、返品することも不可能だった。

妥協点は、諸悪の根源である扉のつまみをすべて付け替えることだ。ただし、ものがものだけに過分に費用を掛けるわけにはいかない。そこで木製の丸棒を買ってきて、これを輪切りにしてラッカーを塗り、扉のつまみ代わりになるものを適当に作った。色は何でもよかったが、白い扉が引き立つように派手な黄色を選んだ。そして実際に取り替えてみると、見違えるようにすっきりとした家具に変身した。

当時は、必要に迫られ臨時に設置した家具だったが、それからは妙に愛着が沸き、ずっと使い続けている。そして1年に一回は、汚れたつまみの上に更にラッカーを塗り重ね、近頃はなかなか貫禄も出てきた。時々しっかりとした棚に取り替えなければと思うのだけど、どうも今ひとつ気が進まないのである。

コメント

  1. いくら10.11.07

    いいアイデアですね。ボックスの塗り変えは思いついてもつまみを変えようとは思いつかないかも。せいぜい色塗りくらい。元々のは引っこ抜けたのですか?通販ものは実際手にとれないのでサイズと色くらいでしか現実化できないですものね。奥行きが浅いものや、お好みのサイズでもキッチリ商品化されているといった店では通販は品揃えがああるので便利なんですけどね。

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  2. >いくらさん、
    こんばんは。
    通販家具の良い点は、作りが簡単なので、気に入らなければ惜しげもなく手を加えることができることです。この扉の場合、つまみを木ねじで止めていただけなので、ドライバーで簡単に取り外すことができました。
    ジャケットのボタンなんかも、お気に入りのものに取り替えて着てますが、傍目にはホントに自己満足の世界です。まあなんと言うか、カスタマイズおたく、でしょうか(笑い。

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