2010年2月1日月曜日

大使館

旧フランス大使館で開催中の展覧会に行ってきた。先に見学してきた友人から、是非観に行くといい、騙されたと思って行くといいと、熱心に誘われたのだ。そこまで言うのならと実際に行ってみると、本当に言われていたとおりの面白さ。通常の美術館と異なり、小部屋の一つ一つを覗き込むようにしてみて回る。取り壊し予定の旧館2棟を使った自由自在な展示が、何か学園祭に訪れたような懐かしい気分にさせる。廊下に階段、果てはトイレまで、建物の内外が丸ごとアートスペースになってしまい、まるでおもちゃ箱に潜り込むような楽しさである。そして各スペースに待機する作家さんたちから、直に話を聞くことが出来たのも刺激的だった。

ここでのもう一つの関心は、大使館の建物そのものにあった。普段訪れる機会のない外国の大使館が、どういった構造になっていて、どのように建てられているのか等々、好奇心旺盛な者としては格好の探検場所である。巨大な金庫のある部屋とか、鉄格子のはまった小部屋とか、一体いかなる用途があったのだろうか。以前から、金庫の中にはフランスの美味しいものが一杯ストックしてあるとの噂があったが、実物を見るとやはりデマだったように思える。そんなことより、ドアノブとかコンセント、ちょっとした引手のデザインに治外法権の匂いがあり、その辺りに大使館の名残を感じたのだった。どうせ壊して棄てるくらいなら、ドアやら窓やら、貰って帰りたいものも沢山あった。

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