日付スタンプ


子どもの頃からのコンプレックスは、自分の字が下手だということ。記帳を求められたりするとき、隣の列の立派な字が目に入り、それだけでも気持ちが挫けそうになる。周囲の目を気にしながら筆を手にするのは、いくつになっても嫌なものだ。でも年の功というか、学生の頃に書いたものと比べると、これまで生きてきた分だけの進歩は見て取れる。父は若い頃から達筆でならしたが、残念なことに母の方は様にならない。だから今では、悪筆は母方からの遺伝のだろうと諦めている。

自分しか読まないノートは、どんなに下手くそでも、他人に見られない限り恥ずかしくない。要は読めればいいのだ。ただ乱雑なノートを、少しでも見栄え良くしたいという希望があり、それで思いついたのが日付スタンプなのである。メモをとるときなど、先頭に日付を入れるのを習慣としているが、その大きさがバラバラで、しかも何を書いているのか読めない時もある。せめてメモ冒頭の日付は、美しいスタンプで飾り、全体の秩序を保とうというわけだ。

さっそく文房具屋に行って日付スタンプをいくつか見たが、国内メーカーのはどれも数字が並ぶだけの味気ないものばかり。丈夫そうで品質には文句ないが、今ひとつ興味が沸かない。それでは輸入品にはないかと調べてみると、ネット通販で何種類か取り扱いがあった。こちらは国内メーカーより使えそうだが、安価な分だけちょっとちゃち。実際に見てみないと買ってよいものか分からない状況だったが、運良く散歩コース上に取り扱っている店があり、取りあえずその店を覗いて現物を触った。最初の印象通り、玩具みたいなスタンプだったが、だからといって簡単に壊れるほどの粗悪なものではない。丁寧に扱えば、きちんと寿命を全うしそうなまじめな商品だった。

この数日、使ってみての印象は決して悪くない。下手くそなメモの上に、整然と押された日付印は、他のメモとの区切りを果たし、それなりに整頓された印象を与える。これはまあ、当初の目論見通りともいえる。スタンプ台が不要で、スタンプを紙に押しつけるだけで簡単に印字されるのも嬉しい。スタンプの耐久性にしても、一日数回使う程度では問題になることはないだろう。できればインクが黒だけでなく、ほかの色が使えるならもっとよかったのにと思う。


写真は、罫線幅6ミリのノートにスタンプを押した様子。欲を言うと、もうちょっと字が大きければ完璧だった。

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