2010年10月3日日曜日

コンサート

キース・ジャレット・トリオのコンサートに行ってきた。あるブログでコンサートのことを知り、もしかすると今年が最後の公演になるかもしれないと思い、公演日直前にプロモーターに電話を入れてチケットを押さえたのである。

前回このトリオを聴いたのは、遙かむかしのこと。そのときはキース・ジャレットの演奏をステージの傍で見ていたが、パンチパーマ、革パンツという出で立ちで、目つきの鋭い、怖そうな人物という印象だった。そして今回、想像はしていたがメンバー全員が本当に年をとった。髪は白くなり、痩せて、そして少し背中が丸くなったように見えた。もちろん演奏自体はプロ中のプロだから、文句の付けようがない素晴らしさで、しかも以前聴いたときよりずっとリラックスして楽しめる演奏だった。

いつも何かの公演があるとき、どのような人たちが来ているかと関心を持つのだが、今回はちょっと特別だった。上は70代、下は20代まで。カップルにグループ、仕事帰りの勤め人に学生さん、異人さんもちらほらと。通常、客の構成は偏るものだけど、珍しくこのコンサートでは程良くバランスしてて居心地が良い。それだけこのトリオが幅広いファンの支持を受けているということだろう。

コンサートの翌日は雨。クルマにキース・ジャレットのCDを何枚か持ち込み、ランダムに流して聴いた。はじめて彼の生演奏を聴いたとき、わたしはまだティーンエイジャーだった。そしてそのコンサートのあと、晩秋の冷たい夜道で彼に出くわし、なんと言っていいか分からず棒立ちになったものだ。記録に残された演奏は永遠だけど、時間は止めようもなく流れていく。

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