2013年8月25日日曜日

しゅつ・そん?

先日来の漢字練習ですが、相変わらず続けています。
毎日30分程度なので、それほど進展はしませんが、逆に続けるにはちょうど良いペースです。
練習を始めてから、思わぬ効果に気づきました。
字の意味をひとつひとつ辞書で確認しながら進めているのですが、その作業を通じて、自分がどれほど文脈に依存し、いかに曖昧に言葉を使っていたかを痛感しました。
自分の守備範囲にある言葉ならば、もちろん正確な意味を知った上で使いますが、それ以外の言葉になると大まかな定義すらたよりない状態です。
知っている言葉と知らない言葉の中間に、その輪郭の曖昧な、しかも用法すら不安定な言葉が膨大に存在する。
この事実は、私にはかなりショックでした。

これが契機となって、辞書を頻繁に引き、丁寧に読み込むようになりました。
字が書けるかどうかより、漢字の本来の意味やその変化について意識を向けてます。
恥ずかしいことに、私はこれまで国語の勉強を満足にしたことがありませんでした。
教科としての国語が苦手だったのではなく、逆にむしろ勉強する必要がなかったことが災いしたようです。
これからは外国語を学習するのと同じ心構えで、気持ちを入替えて日本語に接しようと思います。
もはや手遅れでしょうが、しないよりはずっといいですしね。

亡き父は、いつも広辞苑を手元に置いて仕事をしていました。
子供の頃は、そんな父に漢字の読みや意味をよく尋ねたものです。
ちょうど電子辞書代わりのように。
父への最後の質問を、不思議とはっきりと覚えてます。

「これ、なんて読むの。しゅつ・そん?」
「そうやない。しゅつ・えん。」
「ぎ・えん・きんの、えんやな。」

父の遺した最新版の広辞苑を読んでいると、所々に赤鉛筆の薄い傍線を発見します。
記憶が怪しくなっていたのでしょうか、意外と簡単な言葉に引いています。

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