2007年5月30日水曜日
シュロの日用品
最新号の暮しの手帖に、シュロ箒職人の記事が出ていた。世間ではあまり認知されていないが、知る人ぞ知るあの名品の作り手Kさんの仕事場と、そのシュロ箒を扱う老舗の話。暮しの手帖らしい、おだやかで淡々とした記事は印象がいい。
以前から後継者がいないことが気がかりだったのだけど、ようやくその心配もなくなった様子。職人の素晴らしい技術を、しっかりと受け継ぎ、もっと多くの人たちに広めてほしいものだ。流行に乗っただけの最新デザインの掃除機より、職人が人生をかけて作るシュロの箒。同じお金を使うなら、きっとそっちのほうが価値があると思うのだけど。
そういうわたし自身は、いつかは欲しいと思いつつ、妙に丈夫な掃除機があるので、未だに手にすることができないでいる。仕方がないので机や棚を掃除するための、卓上箒で名品の気分だけを味わう状態。運良く掃除機が壊れたら、その時は断然、師匠ではなく、美しいお弟子さんの作ったシュロ箒をぜひ求めたいと思っている。
そしてもう一つの気がかりは、畳表を手織りする職人の後継者がいないこと。需要はいくらでもあり、グローバル経済の荒波にも耐えていける数少ない日本人の仕事。わたしが学生だったら、未来のないホワイトカラーより、希少価値のある職人の世界を選ぶのだけどね。学生の就職希望先の人気リストを見て、あまりの能天気さに呆れてしまうのだ。
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