エスプレッソ

年上の、とても愉快な友人が言っていたこと。「40代は転げるように月日が経ったけど、50代になると向こうから手を引っ張られるように時間が過ぎるよ。」その時は遠い将来の話だったので、無邪気に笑っていたが、最近は時間の流れが明らかに速くなってきている。今日も、1週間前のことだと思い込んで話していたら、なんと2週間前の出来事だったので仰天してしまった。

昼間に食料棚の掃除をしていたら、奥の方からエスプレッソコーヒーの袋が出てきた。ああ、そういえば最近忙しくて飲んでないよな、と思い賞味期限を確認したら、すでに1年近く過ぎていた。しばし意味が分からなくて考えてみたら、2年前に購入したまま、ずっとほったらかしにしていたことに気付く。

エスプレッソマシンのほうは、少しほこりを被っていただけで、錆もせず一応安心。しかし、電源を入れて、エスプレッソパウダーをセットしようとして本体に触れたら、いきなり指先に電気ショックが走る。暫く使っていなかったので、気まぐれ的に感電することをすっかり忘れていたのだった。賞味期限切れとはいえ、久しぶりに美味しいエスプレッソを飲んだが、わたしも気がつかぬ間にエスプレッソ(急行列車)に乗っていたようである。

コメント

  1. ギャンブラー12.11.07

    起承転結のきいた、見事な文章ですね。ブログでこういう端正な文章が読めるとは、幸せの一語に尽きます。
    「50代になると向こうから手を引っ張られるように時間が過ぎる」ですか。「向こう」というのがチト気になりますが、喩えとしてはとても面白いですね。
    私も50歳を少し過ぎましたが、これまでの修行不足のツケがたまって、煩悩に振り回されながら、未だにあたふた、あくせくと見苦しい日々を送っております。

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  2. >ギャンブラーさん、
    励ましのお言葉、ありがとうございます。
    いつもぶっきらぼうな文章なので、今回は「さげ」を付けて遊んでみました。

    人間は、実際に加齢とともに時間の流れが遅くなっていくそうですね。
    中年期はまだ青年期の時間感覚を引きずっているので、自分と外部とのリズムのミスマッチに敏感になるのかもしれません。
    その点、わたしの老親などは、その辺りはすっかり達観して、平然と時系列を無視した会話を楽しんでいます。

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