どんぶり


世間ではミシュランガイドの格付けが旬の話題のようだが、「おうちでごはん」派にとっては、これはどうでもいい話である。どうせ格付けしてくれるなら、八百屋や魚屋、乾物屋などを対象にしてもらった方が助かる。もっとも近頃は家庭で料理を作る人が減ってきているという話なので、そんなものでは話の種にもならないのかもしれない。

おそらくは、根拠のない推測なんだが、ミシュランガイドが即日完売するほどには、日本人には美食家は多くないと思っている。そもそも美食家を名乗るには、まず基礎体力として、並外れた食欲がないとだめだ。どんなことでも、度を過ぎるくらいのことをしないと、その先にある快楽にたどり着くことはできないものである。振り返って、ほどほどの幸せで満足する人が大多数のこの国で、欲望の固まりのような人はそうそうお目にかかれるものでない。映画「シェフ殿、ご用心」を観て、げっぷが出そうになったり、気持ち悪くなるのなら、既に美食家の1次審査で失格でなのである。

わたしの場合は、典型的な小食動物なので、はなから美食とは縁がない。ひょっとすると生命力の違いだろうか、高齢者と食事をしても、時々先にギブアップしてしまうことすらある。まして、ただでさえ量の多い外国で食事をする際は、特にディナーを予約したときなどは、昼間から何も口にしない覚悟がないと、絶対に完食できないという情けなさ。そのようなわけで、ミシュランお墨付きのレストランなんて、わたしにとってはネコに小判、食事する資格すらないのである。

写真は、それなりに大食していたころに、AXISで買い求めた大どんぶり。高価な食材を使わなくても、十分な分量と、それを受け止める力のある器があれば、何でも美味しく食べていた頃のものだ。いまではすっかり、棚の飾りになってしまい、器の役割を全然果たしていない。

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