2007年12月3日月曜日

日曜の午後



昼下がりに近所の公園に散歩しにいくと、子どもたちが落ち葉を山のように掻き集めて、その中に潜り込み、顔だけ出して日光浴をしていた。その何とも言えない、心地よく、自由な笑顔を見ていて、それを眺めているわたしまで顔が綻んでしまった。きっと暖かいのだろうな、心が弾んでいるのだろうな、枯れ葉がとってもいい匂いなのだろうな。仲間に入れてほしいが、もしもそれを実行すると、たちまち通報されてしまう窮屈な年齢である。

夕食のあとは、ほろ酔い気分で音楽を聴く。昼間の公園の、子どもたちの楽しげな様子が忘れられず、マイルス・デイビスのCDを選ぶ。とってもベタな選曲だが、やっぱりこの季節を締めくくるのに最適な、「サムシン・エルス」。何年も前のこと、ちょうど今頃の季節だった、リヨンを流れるローヌ側の畔にある公園で、ベンチに座って、枯れ葉の舞い落ちるのを、時間を忘れて眺めていたことがあった。夕暮れの近づく頃で、夕日に川面がきらきらと、光がこぼれ落ちるように輝いて、目の前の子どもの遊具で遊ぶ姿がシルエットになり、そして枯れ葉のたてる乾いた音しか聞こえない、とても静かで不思議な時間だった。そのとき、ごく自然に、脳裏に繰り返し聞こえたのがこのアルバムだった。一生忘れられない瞬間とは、決してドラマチックでなく、むしろさりげなく穏やかな、当たり前の日常の風景の一コマなのかもしれない。少なくとも、わたしの胸に刻み込まれているのは、そういった風景ばかりなのである。

3 件のコメント:

  1. 匿名3.12.07

    木々の葉がきれいになりました。先週の我が鎌倉行きは一週間ほど早かったようです。
    「サムシン・エルス」懐かしいですね。LPが実家に置きっぱなしです。大学時代、トランペットにミュートを付け雑音を出していましたことを思い出しました。
    実家といえば、実りの冬(?)。今年も柚子が沢山生りました。先日30個ぐらいいただき、鍋で楽しんでいます。
    土地の大事さを実感します。

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  2. 匿名4.12.07

    leftyさん、
    こんばんは。
    わたしも、最初の「サムシン・エルス」は輸入版のLPでした。
    暇だけはたっぷりある学生だったので、ホントによく聴いたものです。
    おかげでプレーヤーがなくとも、いつでもどこでも脳内再生で楽しめます(笑。
    それから、ご実家に柚子の木があるのですか。それは羨ましい!
    柚子はどんな風に使っても美味しいですね。

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  3. 匿名4.12.07

    柚子いいですよ。焼酎で割っても・・・。
    毎年200個以上でしょうか、スーパーで売っているのより小ぶりのが、気が付くと生っています。
    先日の鎌倉行きの際、市場で同じサイズぐらいのが3個100円で売っていたので、ちょっと計算してしまいました(笑。

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