早春の旅

半日間の拘束状態から解放され、荷物を引きずるようにしてホテルを探す。腹は空くは、足は痛いは、目は霞むはで、次第にエコノミークラスが体に応えるようになってきている。次は絶対にビジネスクラスと誓いながらも、いざその段になると、やっぱりお得な席を選んでしまう性が悲しい。

今回はずっと、海沿いの地方を歩くので、入国初日は以降に備えて栄養補給と睡眠を取るだけ。食事の前に、通りがかった店でお揃いのバスケットシューズを買い、くたびれた革靴と履き替える。久しぶりの長期バカンス、いよいよ念願の土地を訪ねると思うと、妙に気分が高揚する。

運の悪いことに、機中では賑やかな学生さんに囲まれ、ほとんど眠れなかった。こういうときは、決まってホテルでも眠れなくて、しばらく辛い状態が続く。卒業旅行というと、当時は進路が決まった人から、勝手気ままに歩き回ってくるというのが普通だった。だから友達同士で海外旅行というのは記憶にない。今では隣町に行くのと変わらないくらい簡単になったのに、ご時世とはいえ、わたしにはちょっと過保護のような感じがする。

最初に泊まったのは、駅の近くの小洒落たホテル。白い陶器の洗面台に、赤いガラスコップがよく映えていた。このアイデアはいただき。

コメント

  1. 赤いグラスのホテル、北欧でしょうか。
    atoさんの記事に出てくるアイデアは自分でもマネできそうで、いつも参考にさせてもらっています。
    特別な技巧が必要でなく、簡単にまねできそうでセンスがいい。
    むかし、コンラン卿や外国の雑誌であった気がしますが、そういうアイデア大好きです。
    いつも楽しみにしてます。

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  2. umeさん、どうもです。

    写真のバスルームは、パリにあるプチホテルでして、
    http://www.hotel-des-mathurins.com/
    小さくて狭いながらも、アイデア満載のホテルでした。
    赤いガラスコップは、肉厚で気泡の混じった、いかにも手吹きガラスといった様子でした。

    最近特に思うのですが、インテリアのセンスというのは、部屋の隅々にわたる愛情のかけ具合だと思います。
    お金がなくても、住環境が大変でも、ちょっとした気遣いで醸し出す雰囲気は全然違ったものになりますよね。
    そして、そういう見地から言うと、近頃の若い人たちのインテリアのセンスは、とても向上してきたと思います。それも特に、一見してお金に縁のなさそうな人たちに、非常に共感することがあります。バブルの時代の成金的悪趣味からすると、大変な進歩ですね。

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