夜の風景



今年の仕事をすべて終わらせ、夜はいつものバーで、恒例となった旧友や親しい人たちとのパーティ。ひさしぶりに見る顔も多く、互いにつもる話や馬鹿話をしながら杯を重ねる。そっと時計を覗くと終電車まであと1時間。もうちょっと飲んでからと思い、再び覗くととっくに手遅れ。外に出ると、穏やかな天気で、真冬というのに夜風が意外に暖かい。仕方ないなあ、たまには歩いて帰るよ。

駅前の数珠つなぎのタクシーの列を横目に、幹線道路脇の歩道をとてちてた。ふらふら歩くと危険なので、できるだけ直進を心掛けるが、これがけっこう難しい。歩道上の黄色のマーカーを慎重に踏みながら、やや速足で歩くとよけいに酔いが回る。数えきれないくらいのタクシーに追い抜かれ、そして遠ざかる姿に少し後悔しながらも、ここで乗るくらいだったら最初からそうすべきだったのだと自分に言い聞かせ歩き続けた。

普段は寝ている時間だが、そういう間にも営業している店は多く、しかしどこもほとんど客の姿は見えない。がらんとした店内の隅っこで、青白い蛍光灯に照らされ、伝票を繰ったり、疲れた表情で物思いにふける姿をいくつものガラス越しに見る。押し出されるように流れる時間に滑り込んだ、静かで、孤独な時間。ありがとう、皆さん。

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