シャンツァイ

借りてきた本の中に、シャンツァイのことが載っていた。曰く、香港で中華粥に散らされていたシャンツァイの香りに、著者はしばらく馴染めなかったという。わたしの場合、最初の出会いは故郷の中華街で食した中華粥だったが、しかし珍しい味がたいして気にならない性質なので、わりと簡単に慣れてしまった。それよりむしろ、粥にかけられた腐乳の方がハードルが高かったような気がする。そして著者によると、最近は随分と簡単に手に入るようになったということで、そういえば昼間に入ったスーパーでも、生きのいいのが一袋100円程度で売られていた。もちろん今はシャンツァイは好物であり、昨夜の野菜サラダもシャンツァイが主役だった。

男性にシャンツァイを苦手とする人が多いということで、確かにわたしの知り合いもことごとくそうである。とはいえ、日本列島以南の世界はシャンツァイが野菜のスタンダードなので、これに馴染んでおかない手はない。苦手な食材を好きになる簡単な方法はある。要するに、毎日、同じものを、たくさん食べ続けることだ。よほど妙なものでない限り、人間が普通に食するものは、たいてい美味いものなのである。まして敵はただの野菜、数日で慣れるはずだ。人様と囲むテーブルで、一人だけシャンツァイを子供のように選り分けながら食べる屈辱を思えば、その程度の訓練は何でもないと思うのだ。

もし慣れたら、酒の肴にチャレンジしてほしい。細かくむしったこんにゃくを油と唐辛子と多めの魚醤で炒め、魚醤の臭みが収まった頃に、ざく切りのたっぷりのシャンツァイをあわせて軽く炒める。もし魚醤が駄目なら、醤油でも可。真夏の晩酌に、異国情緒を楽しむ一品の出来上がりである。

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