ああそうか



ネズミーランドで、肩車をしてエレクトリカルパレードを見物させた子が、すっかり大人になって上京してきた。外見は手足のすらりと伸びた利発な娘だが、話をすると子供のころの口癖が残っていて、そのギャップがまた可笑しい。大人なんだか、子どもなんだか。

アパートの中を見せてもらうと、部屋はきちんと整頓され、女性の部屋にしてはむしろ殺風景なくらい。冷蔵庫には野菜や保存食が入っていて、聞けば毎日ちゃんと自炊して暮らしているらしい。一人だから、晩御飯を多めに作って、お昼とに分けて食事しているという。掃除も洗濯も、ため込むのが嫌だから毎日しているのだとか。あれこれとイチャモンつけて、一人暮らしの心得でも講釈垂れてやろうと思っていたのに、何も言うことがなくて、妻と顔を見合せて笑ってしまった。

帰り際に、玄関の棚でヒールのついた革靴を発見して、こういうのも持ってるんだとびっくりすると、ちょっと恥ずかしそうな表情を見せた。遊び飽きると、すぐに膝の上に乗ってくるような子だったのにね。淋しくなったらいつでもおいで、と声をかけて別れたが、その時の彼女の手を振るしぐさが大人だったので、かえって自分のほうが淋しくなってしまった。

コメント

  1. lefty25.3.09

    写真の花は、山茱萸ですよね。
    今は亡き父が、私の結婚の記念に植樹してくれた樹木で、この時季に可憐な黄色の花を楽しみにしています。

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  2. こんばんは、leftyさん。
    早春に咲く花は、清楚でありながら、同時に芯の強さを感じさせるものが多くて、見ていて飽きません。例年、マンサクの花をアップしていたのですが、今年は趣向を変えてサンシュユにしました。亡くなられたお父様の、人柄が偲ばれる樹木ですね。

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