
姪には秘密にしているが、その時出さなかったカメラが2台あった。それはオリンパスの古いコンパクトカメラ。5年前にデジタルカメラに切り替えるまで、一番出番の多いカメラだった。旅行に行くときは、重たい一眼レフではなく、この小さな28ミリと35ミリの単焦点カメラを2台を、それぞれ必ず持って出かけたものだ。チープだけど写りは悪くないし、一眼レフと違って周囲の人が警戒しないのが取り柄だった。それに、カメラ特有の大げささがないというか、所有欲の対象とはなりえないようなカジュアルさが気に入っていた。だから所有欲を拒絶する風のある姪の目に触れると、きっと取り上げられるだろうと思ったのである。
カメラと一緒に、とっくに期限切れになったアグファとコニカのフィルムも数本出てきた。そして思い出に残したカメラをポケットに入れて、ちょっと遠くの町まで散歩に行ってみようかという気になった。
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