
最初に受けた印象は、いかにもアップルらしい、実に高品位なデザインであるということ。ボディはアルミの削り出しのようであり、部品のつなぎ目がどこにもない。扉も同じつくりで、中央部から周辺に柔らかにカーブを描く。全体として、パソコンとは思えないほど未来的で、尖った印象の仕上がりになっている。どちらかというと、何か精密な測定器とかハイテク兵器のような感じだ。
ただ、文句の付けようのないくらい洗練された製品なのに、とりたてて感動がないのが残念。これが10年前だったら、間違いなく腰を抜かしただろうに、今では「ああ、そうか」といった程度なのだ。その理由の一つには、ノートパソコンのデザインとして、洗練だけでは新たに付け加えるものが何もないということにある。

映画「エイリアン」で、アンドロイドがノートパソコンを操るシーンが、強く印象に残っている。パソコンという製品が、世の中で産声を上げた頃だった。あんな道具を当たり前に使う時代になり、目の前には映画に登場したのより遙かに未来的なパソコンがあるというのに、少しも関心の湧かない自分がそこにいる。パソコンの時代は、案外近いうちに終わってしまうのではないかと思うのだ。
8年前のマックと並べて眺めていると、その外観以上に、むしろ時代の方が大きく変わってしまったのを感じた。
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