2010年1月3日日曜日

今日の散歩、収穫

ほんのりと暖かな日が続く三が日、今日も昼から散歩に繰り出した。都心に行こうかとも考えたが、どこが良いかさっぱり思いつかないし、それに電車に乗らなくてはと思うと急に億劫になった。どこに行こうが、結局は裏道ばかりを好む。ならば、歩き慣れた道の、ひとつ向こうを歩いても同じだ。じゃあ本日はいつもの方面へ、しかし今まで歩いたことのない道を通ることに決めた。

ただそれだけではつまらないので、自分なりにオシャレをして歩くことにした。そんなに大げさなものでなく、新しいチャッカーブーツを履き、ジャケットに短めのマフラーだけという軽装。歩くだけならウォーキングシューズが楽ちんなんだが、まだ新品の靴を履き馴らすためにしっかり歩いておく必要があったからだ。この靴、旅先で偶然目に止まり、半ば衝動的に買い求めたものだが、デザインの美しさの分だけ私の足には少しスリムで、だから犬を飼い慣らすがごとく、最初にしっかり躾けなくてはならないのである。手始めに大股でずんずん歩くと、靴の強い弾力が体を前に前にと押し出す。おっと負けてはいられない。手を大きく振ってバランスを取り、リズムを刻むようにすると、あっという間に汗ばんでくる。ほどなく、タオルを持ってこなかったことを後悔した。

正月の三日ともなると、シモキタの街はかなりの人出。店も大半が営業していて、今日は若い外国人観光客が特に目立つ。どういった店が人気なのか知らないが、故郷への土産なのだろう、大きな買い物袋を両手に楽しげに歩いている。同じ顔つきの人たちなのに、使う言葉が違うと、目に見えない薄い膜で隔てられているようにもどかしい。その距離感を確認したくて、思わず話し掛けそうになるが、変なオヤジに見られるのが嫌でいつも思いとどまっている。

シモキタではいつもの書店に直行し、小一時間ほど遊んだあと、再び歩いて帰る元気をなくしたので電車で帰宅した。

本日の収穫
・「ああ。二五年」開高健 随筆集。短いのがたくさん入っているので、トイレに置いてチビチビ楽しむ予定。

・「独楽園」薄田泣菫 タイトルは似ているが、例のお下劣小説にあらず。精神の高みからあふれ出た一滴を、お気に入りのお茶とともに静かに味わいたい、そう思わずにはいられない随筆集である。カバーデザインも秀逸。

・「ボン書店の幻」内堀弘 買おうか買うまいか迷ったあげく、もうちょっと寝かせておくことにする。積ん読本が溜まりだしているのだ。

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