夏休みのメニュー


夏休みを取っている。世間一般の中年男と同じで、だからといって何か特別な楽しみがあるわけでない。せいぜい部屋の片付けをしたり、読み残しの本を積み上げて溜息を吐いたり、昼間に冷たいビールを飲んで昼寝するくらい。暑いので、外出するのも億劫なのだ。確かに、おもしろくも何ともないが、そのつまらない平穏さが素晴らしく貴重に思える昨今である。

ただ、ちょっと困るのは三度の食事。「ちゃんと美味しいのを食べるのよ。」と言い残して彼女は出かけて行ったが、この歳になると外食はけっこうパワーが要る。そうかといって自分のだけ、一人分の食事を作るのも大変だ。元来大食でないので、必要な材料はほんの少し、これをスーパーで調達しようとすると買えるものがあまりない。結局はワゴンセールのお見切り野菜の詰め合わせを豪腕の奥様方と争うことになる。傷んだ外葉が除かれ小さくなったレタスとか、腕をもがれたセロリとか、見かけに文句がなければいろいろと入ってお得なのである。

昨夜の買い物で、大きなパプリカが入った詰め合わせが目についたので、即断即決でワゴンの中から奪い取った。サラダにするには、ちょっと皺っぼくなっていたので、網で軽く焼いてからマリネにする。先日レストランでもっと上等のが出されて、それが美味しかったので真似てみたのだ。味付けはパプリカの甘みが引き立つように塩胡椒のみ。これは生で食するよりずっといける。それから、袋の中にはナスが入っていて、こっちは、いつものようにトマトソースを使った簡単グラタン仕立て。あとは映画とワインがあればもう十分、ほかに何が要るというのだろうか。

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