暑い夜

今日はとんでもなく暑い日だった。日が落ちて、冷房の効いたビルを出ると、ズボンが妙に熱くて仕方がない。体の方は冷えているのに、ズボンが熱した外気にさらされ、それで皮膚が過剰に熱く感じているのだろう。こういうのはあまりないことだ。

帰宅途中に食品スーパーに立ち寄ると、いつも清潔にしているため気にならない臭気が、きょうに限ってとても臭う。これだけ暑いと、ほんのわずかな食品の匂いや雑菌が、湿気と相まって強い臭気を発する。普段は客で混雑している時間なのだが、酷暑だったせいか店内はいつになくガランとしていた。食材を物色するが食欲がわかず、液体のパン、つまりビールと簡単な総菜を買って帰宅した。

今夜は送り火があった。大文字送り火を最後に見たのは二十歳の時だった。当日は諸般の事情で帰省できず、下宿近くの銀閣寺道あたりから缶ビール片手に、人混みに揉まれながら一人で見物した。京都では祇園祭から盛夏を迎え、送り火の頃から涼しくなると言われていたのに、その夜は少しも涼しくなく、今夜と同じく夜通し蝉が鳴き続ける蒸し暑い夜だったことが昨日のことのように思い出される。肝心の送り火だが、大文字は近すぎて形がよくなく、むしろ遠くの舟形が綺麗に見えていたように記憶している。

深夜零時だというのに、まだ30度を切らない。アメダスによるとこの時間、この付近一帯が全国で一番暑い地域である。我を張らず、さすがにクーラーを付けて寝ようかと思う。

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