2010年9月21日火曜日

まるで地引き網のように

図書館を利用することが多くなった。本は自腹を切って読めと言われるが、如何せん何かと厳しいご時世である。何でもかんでもAmazonでポチッとやっていたのではたまらないし、それ以上に読む時間の確保が大変。それで数年前から、書き込みの必要がある本のみを購入し、ひととおり目を通せば済む本は借りるというルールを作った。新書の類などは概ね借りて済ませることが多く、目次を眺め、各章の結論部分を読んで、メモを取っておしまい。そしてメモするのが大変になりそうだと、そこではじめてAmazonのお世話となる。おおまかに言うと、「今」を知るための本は借りて、物事の本質を探る本は自腹を切って読むという感じだろうか。

所蔵している本を裁断してスキャナーで読み取り、必要に応じてパソコンで読むというのが流行っているらしい。なんでも、部屋の大半を占めていた本棚が消えて、たいそう清々しい気持ちになるのだそうだ。確かに本棚は場所を取るし、いつも繰り返し読む本なんてそうあるわけでなく、読んだらデータにしてパソコンに放り込むのがベストだろう。ただわたしには、そういう作業がひどく面倒で、それ以上に本をパソコンで読むというのが好きになれない。バランス感覚として、読書くらいはちゃんとした本でと思う。それに、自分の本は図書館に保管してもらっていると考えて、邪魔な本はリサイクルした方が合理的ではないだろうか。

そんなこんなで、わたしは図書館のヘビーユーザー。読みたい本があると、まずは都内3つの区立図書館に検索をかけてその蔵書の有無を確認する。だがこれがけっこう面倒。それぞれの図書館のホームページは、なぜかバラバラのデザインであり、操作方法も統一されていないからだ。そして最近知ったウェッブサービスが、「カーリル」である。事前に検索する図書館を登録して、借りたい本を「カーリル」で検索すると、自動的に各図書館の所蔵の有無を確認してくれるというサービスである。それだけでも有り難いのに、それに関連する本まで一気に検索してくれるという念の入りよう。仮にお目当ての本がなくても、それに近い本がリストアップされるので、待っている暇がなければそちらを予約するのだって悪くない。最初、このサービスを利用したとき、あまりの便利さに仰け反ってしまった。その破壊的な便利さを思うと「カーリル」なんて軽い駄洒落は似合わない。わたしだったら確実に、「超・地引き網」とでも名付けただろうと思う。

2 件のコメント:

  1. lefty22.9.10

    自分も同じヘビーユーザーです。横浜市のシステムは便利で、パソコンで検索するとすべての図書館の書籍が予約でき、近くの図書館に届きます。
    1名6冊まで予約可能で、家族3名分をフル稼働(?)しています。
    もう本棚が満杯で、こうしていないと家がとんでもないことになります。図書館が本棚でと思えばいいのですが、どうしてもほしい本はそうはいかず・・・。

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  2. ホントに便利になりました。オンライン化される前は、周囲の図書館を順に巡って、いちいち図書カードを繰って調べる必要があったのですから。それから貸し出し請求を提出しなくてはならなかったり。コピー取るのでも、窓口で書類を書いて、お金を払ったりしてました。その代わり、職員さんは今よりずっと暇そうでしたね。

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