見上げてごらん

震災のあった夜、ガソリンを満タンにした。そして状況は予想した通りの展開となった。その後、友人から避難を勧められるも、心境の変化でその気にはなれなかった。これから何が起きようが、いいじゃないか。腹を括って、できるだけ普通に暮らそう。そういうふうに思ったからだ。

備蓄していた水は十分にあるが、まったく手を付けていない。野菜の産地など気にかけずに食べている。あのチェルノブイリですら、本来人が住めない地域で平然と暮らす人たちがいる。だから、多少得体の知れないものが降り注ごうが、わたしは別段気にしない。

昨夜はなじみのレストランで食事した。いつもよりちょっと贅沢なワインを頼み、ほかに客がいないのをいいことに、店の人と四方山話を楽しんだ。普段は忙しそうなので、あまり声を掛けないが、昨夜は特別だった。同じ町に住んで、近所のうわさ話に興じること。何でもないことだが、ここを故郷と決めて、ずっと暮らし続けたからこその幸せである。

このごろ、無意識に同じ鼻歌を歌っている。昔から好きな歌だったけど、それが今の気分に一番ぴったりくるからだろう。久しぶりに、あらためてオリジナルを聴いて、心が揺さぶられた。

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