2011年12月3日土曜日

今朝のこと

早朝の冷え込みに凍えながら、薄暗い中で着替えをしているところで地震に襲われた。微細な振動が始まったと同時に、部屋のあらゆる方向からモノのぶつかり合う音が聞こえはじめ、「あの時と同じだ」と冷たい予感が走った瞬間、2台の携帯が同時に緊急警報を発し始めた。窓の外では、カラスたちが怯えたように鳴き騒いでいた。慌てて着替えを済まし、直ぐにテレビを点け、ニュースを見ながら本震を身構えていたら、今度は何事もなかったように再び静かになった。

以前はそれほどでなかったのに、今は地震がひどく恐ろしい。兵庫県南部地震の時は、喩えとしては適切ではないだろうが、何か突発的な不幸のような印象があった。しかし、春先の大地震では、これから想定されるいくつかの巨大地震の時限スイッチが入ってしまったという気がしている。もちろん、わたしは人より心配性なので、ただの思い過ごしであったらと強く願っている。だが、どうやら専門家たちのなかでも、少なからざる人たちが強い懸念を有していることも気になる。仮にもし、今朝の地震が予想されているような大規模な直下型だったら、関東地方だけの自然災害では済まず、今のタイミングだと世界経済を巻き込む災害になったにちがいない。そのように想像するだけで、胃がギュッと冷たく収縮するのだ。

東北では復興景気に沸いているらしいし、東京でも高層マンションが順調に売れていると伝え聞く。近所でもミニ開発の建売住宅がたちまちに完売し、若い入居者たちが新しい生活を始めていた。そんな経済の楽天的な強さは歓迎すべきだろうが、わたしはまだそういう気にはとてもなれない。もうちょっと辛抱したあとでも遅くはないのではと思っている。

そういうわけで年末の帰郷は、万が一を考えて飛行機にした。新幹線にしろ、クルマにしろ、陸路を行くのは出来るだけ避けたかったのだ。そういえば、翌3月12日の早朝便を予約していて、結局その日は欠航になってしまったことはまだ記憶に新しい。例年と変わらない、穏やかな正月が迎えられればいいのだが。

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