ハードディスクとおさらば


妻のパソコンがいきなり壊れてしまった。ハードディスクが不快な音を立て、一切の操作を受け付けなくなったのである。仕方なく電源を強制遮断してハードディスクを調べると、物理的に壊れていることが判明した。それに仕事中だったので、それまで作成していたファイルが読み込めないというおまけまでついた。修理に出す時間はなかったので、急遽自分でハードディスクを調達してシステムを入れ替えることになった。

パソコンとは20年以上の付合いだが、これまでハードディスクが壊れたという経験がなく、それでバックアップもほとんど行っていなかった。手痛いしっぺ返しだ。昔の、えらく高価だがこのうえもなく頑丈な作りのものとちがい、現在のハードディスクは薄く軽くて吹けば飛ぶような作り。そんなちゃちな箱の中でモーターがぐるぐる回り、読み取り装置がせわしく動き回るから、感覚的に言っても、そりゃ壊れて当然だ。そういうわけで、このたびグルグルカチャカチャのハードディスクに別れを告げて、代わりに巷で評判のSSDをパソコンに入れてみた。

いやもうびっくり。壊れたのは4年前のMacBookなんだけど、これまでの環境ではちょっと呑気な父さんという感じだった。それがSSDにしたとたん、きびきび働く若者に大変身。起動ボタンを押して、10も数えないうちにスタンバイ。シャットダウンもほとんど即時。アプリケーションはピョンピョン跳ねるように作動する。それに加えて、電池の保ちが格段によくなって、時間を気にせず使えるようになったという嬉しい誤算付き。いかにグルグルカチャカチャが足を引っ張っていたのかということがよくわかった。

それで慌ててもう一方の炉端パソコンもSSDに入れ替えた。こちらはWindowsだけど、Macほど劇的でないにしろ、それでも体感的に2割方動きがよくなった。もちろん電池の保ちはそれ以上。なにより頻繁に持ち歩くので、ハードディスクを不意の衝撃で壊してしまう恐れがなくなったのはありがたい。

最後に、妻のMacBookに取り残されたファイルがどうなったかというと、大切なものはグーグルさんに任せていたので、作成中のもの以外はほとんど被害がなかった。だから新規にOSを入れて、ブラウザをセットし直せばそれで終わりだった。私の方の入れ替えもほとんど同様。よく使うファイルはオンラインストレージに投げているので、パソコンの中にはめぼしいものがない。その代わり通信回線だけが命綱という、いかにも現代風の、危うく儚い暮らしをしているのである。

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