旅の師匠は、檀一雄。師匠の小説は読んだことないが、旅と食にまつわるエッセイは多感な少年期によく読んだ。現地に到着すると、手始めに市場に行って土地の食材を買い求め、それを宿で調理して晩飯にする。エッセイにはそんなふうなことが書いてあった。どこか中東のバザールで買い物する師匠の写真が、今も曖昧に記憶に残っている。
それと、呑兵衛だから酒は欠かせない。品揃えの良さそうな酒屋に入り、地元で人気のある酒を教えてもらい、安いところを何本か買っておく。いわゆる地酒だから高くたって数百円、いろいろと飲みたいので残ってもいいやと割り切って求めるのだが、結局全部飲んでしまう呑兵衛の悲しさよ。
おっさんたちで賑わう食堂で頼んだ、モツとソーセージ、豆や野菜の炊いたもの。見たとおりご馳走でなく、いわゆるおばんざいですね。質素だけどボリューム満点。これに、先ほどのフツーの安酒を併せて晩飯にします。
今回泊まったのは、自由に使えるキッチンのついた宿。食事の時はみんなで大テーブルを囲み、それぞれ好き勝手にわいわいがやがやと過ごします。数部屋だけの宿なので、冷蔵庫の各棚が一部屋ごとに割り当てられる。わたしの棚は、もちろん酒瓶でいっぱい(笑。
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