2012年6月4日月曜日

自分のことは自分で、ね。


格安航空会社(LCC)のひとつ、スカイマークのサービスコンセプトが反響を呼んでいるようです。その内容に違和感はなかったのですが、思いのほか強い拒否反応を示す向きもあります。そうでない人たちも、安いのだから仕方ないという、消極的な賛同が多い。つまりお金の掛かる大手航空会社の場合だと、そういうのは許せないというわけでしょうか。

「丁寧な言葉遣いをしない」、「文句は聞きません」、「手荷物の上げ下ろしは自分で」とか、そんなの客の立場からしても当たり前でしょと思う。JALやANAの利用者からすると違和感あるでしょうが、外国の航空会社だとLCCじゃなくても概ねそんな感じですね。不親切というわけでなく、必要なことはちゃんとするがそれ以外のことはご免なさいという、いわばさっぱりしたサービス。先のサービスコンセプトも、表現の仕方には工夫が必要と思いますが、運用実態として非常識とは思わないです。

スカイマークを批判する人たちの意見を読んでると、現実に利用した経験がないように思えます。わたし自身は幾度かあるのですが、取り立てて不満を持ったことがありません。搭乗時間の短い国内線ですし、それにサービス業としては常識的な線なので、空飛ぶ乗り合いバスと考えれば上等の部類ですね。

じつは飛行機に乗り始めた頃に何度かJALを利用したのですが、それ以降はぜんぜんありません。サービスが悪いからじゃないんです。ごく少数の乗客の質が悪くて、不愉快な思いをすることがままあるからです。「金を出している客なのだから」という卑しい気持ちがあるからでしょう、躾のなっていない子供じみた態度を見ていると、たとえ自分とは無関係でも腹立たしくなります。ときおり週刊誌ネタになった、乗客がゴネて出発が遅れただの、機内で乗務員を土下座させただのとか、ああいう愚か者と乗り合わせるのだけは勘弁。普通の乗客にとっては、そんな連中は即座に機外につまみ出すというのが、最善のサービスなんです。だから「文句は聞かない」というのはむしろ歓迎すべきことだと思うのです。

そもそも航空機の中は、公共の空間です。だから、乗り合わせた人は、全員が快適に過ごせるように相互に配慮するというのが常識というもの。先ずは自分のことは自分で、そして手助けの必要な人には積極的に協力するのが暗黙のルールです。もちろん手荷物の上げ下ろしだって同じこと。大げさに言えば、成熟した社会を維持する仕組みと何ら変わりません。この理屈は、格安運賃かそうでないかとは関係ないと思う。それだけに「金だしてるのだから、何とかしろ」っていう感覚が理解できないです。そして悪いことに、そういう態度の傲岸不遜の輩、けっこういるのですよね、とりわけ「偉い人」の中に。

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