2012年8月11日土曜日

消費税の引き上げ


拙いことをしてくれた、よりにもよってこのタイミングで政府は最悪の選択をした、というのが率直な感想。ただでさえ国民の負担、とりわけ勤労者世帯の負担感が大きくなっているのに、ここで消費税を引き上げると一気に消費意欲が減退します(断定。そうすると景気が悪化し、更に税収が落ち、財政規律の名の下に再度の増税というのが既定路線。いったい見込みのない増税が繰り返されて、明るく元気になる国民が、この世の中のどこにいるというのでしょう。復興増税で家計の維持が厳しくなるのに、ここで景気よりも財政の健全化を優先するという感覚が、もはや病的に浮世離れしています。それよりは、さっさと財政を破綻させ、これ以上失うものはないという清々しい気持ちで頑張る方がよほどマシでしょう。

本日のテーマに関連して、いつもの内田さんのブログで興味を引いたのは、「国民たちの市場からの撤収」という見立てでした。平たく言うと、このまま国民生活が圧迫され続けると、人々は生活物資を自分で直接作ったり、ご近所さんたちと融通し合いましょ、という流れになるといいます。ご本人の思い入れもあるでしょうが、そういうコミュニティが形成されていくにしても、日本ではきわめて限られた範囲でのことでしょう。いい悪いは別にしても、結局は私たちの価値観と覚悟の問題になります。

当ブログでもたびたび話題にしていますが、過剰に商業的な振る舞いをするのではなく、豊かさを追求する限度で市場に参加するのが落としどころじゃないでしょうか。自己を単なる消費の客体に貶めるのではなく、あらゆる手段で積極的に暮らしの付加価値を創出し、主体的に人生を楽しみたいと考えています。以前、生活保護を受けている人の暮らしをテレビで見ましたが、そこにはなんの創意工夫もなく、娯楽を含めた生活全般が商業施設頼みという具合。そのあり方を、単にお金をもらって楽してると見るか、日本人の暮らしのミニチュアサイズと見るか、まあいろいろと考えさせられた番組でした。

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