2012年8月9日木曜日

クルマの話など

うちのクルマとは、かれこれ15年近くの付き合いです。いちおう輸入車なんですが、なにしろ地味なクルマですから、たいていそれとは気づかれません。購入した動機は、小さいわりに荷物がたくさん載せられ、シートの座り心地が良く、外見の素っ気なさが性にあったという点に尽きました。外車だから決めたというわけではないのです。日本では一般に知られていないメーカーで、たまに綴りの読みを訊かれたりします。私自身も知っていたことといえば、往年の人気刑事ドラマで主人公が長年乗っているボロ車と同じ会社で、なぜか胡椒挽きも作っている会社だというくらいでした。今もその程度のことしか知りません。

どういうクルマかというと、鍋釜のような飾らないクルマというのがぴったりです。実用の調理器具のように、誰かに見せびらかすものでなく、使う本人が納得していればそれで良いという考え。何よりも肝心なことは、自分にとって相性が合うことが大切でした。本人や同乗者の命を預ける道具ですから、クルマと「気持ちが繋がる」必要があります。気持ちが繋がるようになるには時間が必要であり、そのためには自然と愛着を持てるような道具でなくてはならないということです。

そういう意味で、自分と相性の良いクルマに出会えたのはラッキーでした。実は、先代の初めて買ったクルマもそうだったのですが、先入観抜きの印象と勘だけで決めたのが良かったのです。ブランドとか、世間の流行なんかではなく、単純に仲良くなれるかどうで素直に判断するのがクルマ選びのコツだろうと思います。もちろん値段も無視できない要素ですが、気分良く乗ることが出来れば、長期的にはそれが一番お得なんですよね。

購入当初、家の近所でも見かけた同じモデルの車たちは、今ではすっかり見なくなってしまいました。一台のクルマを大切に乗り続けるという習慣がないからでしょうか、我が国では新車を6年程度で乗り換える人が多いと聞きます。気がつけば周囲のクルマは、より大型化、高級化しています。肝心のドライバーは高齢化する一方なのに、そんなクルマで不便を感じていないのでしょうか。そろそろ我が家でも次を考える時期なのですが、このままペナルティー付きの割高な税金を払いながら乗り続けるか、もっと小さくて魅力的なクルマに乗り換えるか、はたまたカーシェアリングに切り替えるか、まだまだ悩み続けなくてはなりません。最後の写真は、うちのコの生まれ故郷で撮りました。派手好きの首都と違い、地方では同じクルマが現役でいくらでも走っています。日本ではいなくなってしまったので、発見すると妙にうれしいものです。

2 件のコメント:

  1. 自分は14年数か月付き合った国産車とサヨナラし、日曜日に新車に替えました。
    注文したと同時に、何か惜しい気持ちがしてきて、先週のお別れは写真を撮りまくってしまいました。

    愛着のある車は、本当にいい車です。新たな自分の新車も長い付き合いにしたいものです。

    atoさんの車は、いいご主人で幸せですね。

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  2. おや!ついに新車にされましたか。
    それはおめでとうございます。
    「クルマと女房は・・・」などとは申しませんが、やはり新車は何度でもいいものですよね。
    私も気に入ったクルマが見つかれば、きっと反射的に乗り換えてるような気がしております。
    次は2シーターのマニュアルで、小さくて機敏なのがいいなあ。

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