タイマー

年齢を重ねるとはどういうことか、実際になってみないとわからないものです。自分の場合は、想像以上に早かった老眼の不自由さなんかが、その典型です。それから超短期記憶の衰えなど。意識して覚える場合はともかく、無意識の場合は笑ってしまうくらいだめ。用事があって部屋を出たとたんに、もう忘れているというギャグのようなありさま。同時並行的に別のことを考えた瞬間が危ない。なんでも脳の働きが、自然とそうさせるらしいのです。


 そんなわけで、複数の作業を同時におこなう必要のある家事で、タイマーを積極的に活用するようになりました。炊飯器のスイッチは、バタバタしているとたいてい忘れます。なので、米を研いだらその作業の一環として、その場でタイマーをセット。おかずが先にできてしまい、ご飯がまだなんて悲しい思いはまっぴらですからね。

火のつけ忘れ防止にも、タイマーを活用します。家事が立て込んでくると、鍋の火を失念します。4分間をひと区切りにして、電子タイマーが鳴ったらとりあえずコンロの様子を見に行き、すかさず次の4分をセットするというふうに。もっとも最近のガスコンロには安全装置があるでしょうから、自分のようなケースは珍しいかもしれません。もっとも安全装置が働く頃には、たぶん鍋の中は焦げて真っ黒でしょう。


老化の仕組みはまだ解明されていないと聞きます。確かなのは、私たちの体内では誕生した直後からタイマーが作動しているという動かしがたい事実のみ。若い頃は自分の中で刻むタイマーの音なんてぜんぜん聞こえませんでしたが、中年になってから少しずつ聞こえるようになりました。ときおり同世代の人が若くして急逝すると、時間を刻む音がいきなり大きく聞こえます。

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