オトナの夏休み映画大会



先ごろ購入したテレビにインターネットテレビを見る機能がついていて、オンデマンドで好きな映画が選べるということで、ものは試しと利用を始めました。
我が家の接続スピードはそれほど速くなく、加えてテレビは離れた部屋からの無線LANでつながっているので実用性に不安がありました。
ところが意外にも、普通のテレビを見るのと全然変わりなく、映像的には完全に満足できる状態です。
現状でテレビ放送に見たい番組はなく、ときおり旅行やドキュメンタリー系の番組を見てるだけなので、これはちょっと期待できるかと思いました。

しかし残念なことに、映画の品揃えが貧弱でした。
これじゃテレビ放送や場末のレンタルビデオ屋と大差ないレベル。
古今東西の名作が見放題だと思っていたら、関心のもてない作品ばかりが無駄に並んでいる印象です。
私の要求が無茶なのかもしれませんが、せめてクロサワ、オズにミゾグチ位は全作品が揃ってなければお金を払う価値がないと感じます。
だって実店舗を持たないからこそ、ロングテールに価値のあるサービスを提供できるわけですから。

と、文句を垂れつつも、何とか面白そうな映画を探してみています。
その中でも、これぞ思ったのが「裏切りのサーカス」。
原作が「北の国から来たスパイ」のル・カレだったので、筋書きは悪くはなかろうと。
それが見事に当たりでした。

映画の冒頭は、ロンドンから派遣された情報部員が、ブダペストのカフェで連絡係と交渉を始める場面。
コーヒーを持ってきたボーイが、テーブルの上に一滴の汗を落とす。
汗のクローズアップ。
パサージュの2階の窓が開き、老婆が怪訝そうな表情でカフェを見下ろす。
画面全体に一気に緊張が走り、そして物語が始る・・・。

映画というのは、こうでなくっちゃ。

特にこの映画、役者達が素晴らしかった。
主役は、「レオン」でジャン・レノ以上の存在感を放ったゲイリー・オールドマン。
その元上司役に、「エイリアン」の例の場面(!)で強烈な印象を残したジョン・ハート。
出番は少ないですが、いぶし銀の演技力で引きつけます。
「英国王のスピーチ」の国王役、コリン・ファースも地味ですが丁寧な演技が光りました。
その他にもいろいろと、いい役者が適材適所で配置され、無駄のない素晴らしいキャスティングです。

最後の場面もいいですね。
コリン・ファースの表情がよかった。
女性や子どもには見えにくい隠れたストーリーも描き込まれ、これぞオトコのイギリス映画。
映画ファンのおっさんにとって、数少ない観るに堪えうる映画でした。
目下大ヒット中のネズミ-アニメがどうしても理解できないへそ曲がりに、是非お薦めしたいと思う。

イギリスつながりで、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」も観たのですが、これはようやく及第点という印象。
主役のメリル・ストリープは確かに上手いのだけど、演技がきれいすぎて何も残らない。いつもそうだが。
これでは仕事一筋に頑張るママさん首相という感じで、アカデミー主演女優賞は大甘だと思う(まあアカデミー賞自体がアレですが)。
特に強大な政治権力を握る者の、ドロリとした怖さが見えないのが残念。
ベタだけど、この役はヘレン・ミレンを使った方が良かったのじゃない?

そして評判のフランス映画、「最強のふたり」。
お子様にも安心して見させられる夏休み映画。もちろん全然食い足りない。
しかし「アメリ」を超える大ヒットということなので、そういう映画なのだと思えば得心がいきます。

最後に、邦画「小さいおうち」。
うーん、映画を観た時間を返して頂きたい。
決して役者が悪いわけじゃないです・・・。
映画なんだから、映画に相応しい作り込みがあると思う。

さて、次は何を観ようかな。

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