2016年9月30日金曜日

いま時の大衆実用車に驚く



「大衆車」を意味する海外ブランドの、その中で最も実用的なクルマを購入しました。
つまり、「大衆向け実用車」という色気も素っ気もないクルマ。
というのも、見栄やはったりとは一切無縁の、日常生活の道具として相応しいクルマが欲しかったからです。

前回も述べたところですが、急に買替えが必要となり、感情ではなく論理を詰めればこれしか選べないだろうという、ある意味きわめて消極的な判断で決まったクルマでした。
おまけに我が家の周囲でも、同じ理由で選ばれたに違いない同じクルマがごろごろと生息しており、なんとなく諦め半分の買い物でした。

ところがいざ運転を始め、次第に慣れていくにしたがって、すべてが感心することばかり。
試乗時の印象以上にずっと軽快で、走る曲がる止まるの動作に何の不満もない。
いや不満がないという言い方は不適切か。
感覚的に言うと自分の運転技術が、3割程度上達したような気分を味わってます。
もっとも、つい先日まで20年前のクルマを運転していたのだから、それより悪いということはあり得ないわけですが、何の違和感もなく乗り替えられ、かつ運転が楽しいと思えるのだから、自分にはこれ以上望むことは何もありません。


良いクルマの条件とは、煎じ詰めればたった一つ、長距離を運転しても疲れないことです。
そこで今回、遠方での用事にかこつけ1500キロの長距離ドライブを行いました。
結論から言うと、期待通りほとんど疲れを感じることがありませんでした。

最大の理由は、高速道路を自動走行したので無駄な労力を使わなかったこと、また視力を酷使する夜間走行が信じられないほど楽だったことです。
また、車両の加減速、車間距離の調整、ブレーキ操作が自動で行われるため、足を常時操作ペダルに置く必要がなくなり、悩みの種だった足の疲労がなかったことも大きい。
走行レーンを外れないようにハンドルに手を添え、突発的な事態だけに注意を払っておけば良いだけなので、体力、集中力が落ち気味の中高年にはぴったりのクルマと言えるでしょう。

ここでの技術的な解説はこちら

ちなみに燃費は、高速道路を平均時速100キロで走って、リッター20キロという驚異的な数字。
人の感情混じりの運転でなく、コンピュータが計算尽くで運転するのだから燃費が良いのは当たり前でしょうが、いくら走っても燃料計の針が少ししか動かないというのが不思議な気分でした。
そして、効率的な社会を作るには、人工知能に委ねるべき分野も多く、もっとも非効率な人によるクルマの運転がまさに該当すると感じました。

体に優しく、しかもお財布にも優しいという、驚くべき今どきの実用大衆車。
これまで前世紀のクルマしか知らなかった自分にとっては、文字通り理想的と言って差し支えないレベルのクルマでした。
これから更に10年後を想像するなら、市街地での自動運転が当たり前になり、たぶん人々はクルマへの関心を失い、自分で自動車を所有する意識も無くなるだろうという気がしています。

2 件のコメント:

  1. いいお買い物をされたようで何よりです。私も、同社のを検討したのですが、最近の車は幅広で、うちのマンションの機械式車庫の規格に合わないのです。(入れようと思えば入りますが)
    オートクルーズは高速道路においてはとても楽ですね。
    うちのはアイサイトという自動ブレーキシステムが付いているのでよさげですが、自分でブレーキを踏んだほうが安心です。
    しかし、リッター20キロはすごいです。うちの国産は、よくて15キロ弱。
    時代はどんどん進化しますね。

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  2. いやまったく、当方も機械式なので断然5ナンバーサイズが楽なんです。それなのに自動運転機能の付いたコンパクトカーって、ほとんど選ぶ余地がありませんでした。
    私も当初はアイサイトの付いたクルマが念頭にあったのですが、何よりサイズの問題で落とさざるを得ませんでした。本当に良い装置だと思うのですが・・・。

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