フラットかるヒット


いやもう、こどものころから本当にずーっと使い続けてきたホッチキスを、故障もしていないのに、あろうことか新しいのに交換してしまった。それがプラスの「フラットかるヒット」なのである。たまたま借りて使う機会があり、その使い良さにびっくり仰天して、道具は壊れるまで使うという原則をあっさり放棄した。掌にすっぽりと収まる握り易さ、レバーを押し込んで紙が綴じられる瞬間の気持ちよさ、そして作業の仕上がりのきれいなこと。長年、退屈しきっていた作業が、いささかオーバーと思うが、快感を伴う作業に変わったのである。優れた道具というのは、つまりそういうことだったんだと、新鮮な感動を得た製品だった。


新製品の出現で、すっかり評価を下げてしまった古い相棒だが、デザインは悪くない。60年代特有の生真面目さと、時代を先取りしようとする革新性。今となってはただ懐かしいばかりだけど、強く自己主張することもなく、ずっと地味な仕事を支えてくれたことに、古い日本人の奥ゆかしさを見る。これは確かグッドデザイン選定商品だったように思う。

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