
灯油の高騰で、この冬から、石油ストーブを使うことを止めた。石油ストーブは維持管理が面倒だし、換気や臭いの問題などいろいろとあるのだが、そのような不便さも含めて、冬の情緒として日常生活に取り入れてきた。だが、エアコン暖房の便利さを退けて、適度な面倒臭さを楽しむという暮らしも、コストとのバランスが崩れてしまっては不合理なだけである。将来、ありそうにはないことだが、灯油の値段が下がるまで、長年愛用のストーブはお蔵入りとした。
暖房をエアコンにした場合、暖房能力はどうしてもストーブに劣るので、今までより1枚余分に重ね着をした。しかし、それだけでは足下が寒いので、さらに別の対策が必要となった。炬燵を置けば話は早いが、自堕落になりそうなので、こちらは却下。妥協策として、リビングに電気カーペットを敷くことにした。電磁波は大丈夫なんだろうかと言いながら、カーペットでのうたた寝の心地よさを知る。
だが、それだけでは、まだまだ足りない。特に書斎にしている部屋は、窓面積が広いため、夜間の寒さが厳しいのだ。二重サッシにすればいいことは知っているが、借り物なので大げさな工事は駄目なのである。なんとか簡単にできる対策はないものかと調べると、窓の直下に
ヒーターを置くことで、問題が相当程度に解決することを知る。ヒーターの作る上昇気流で、一種のエアカーテンを作る理屈である。
半信半疑で、試しに1台だけ取り寄せて、机脇の窓で使ってみると、意外に効果があることがわかった。窓際の気温は、設置しない場合と比べて4、5度くらいは暖かくなった。以前は机に1時間も向かっていると、手や耳が冷えて辛くなったものだが、ヒーターを入れてからは、そういうこともなくなった。特別な宣伝広告はなされてないが、外観は地味だがなかなかどうして、優れものの暖房器具である。