雑感

いつも世話になっている自動車ディーラーから郵便が届いた。封を開けると「購入資金クーポン」なるものが入っている。商売っ気のない会社にしては、ずいぶんと思い切ったディスカウント。ああ、やっぱり苦労しているんだ。長年の付き合いで、すっかり顔馴染みになった人たちが脳裏をよぎる。

ちょうど去年の今頃に自損事故を起こしたが、それが思いのほか重症だった。10年以上も乗っているクルマなので、ディーラーとしては新車を勧めてもよさそうなのに、しかしそんなことは一言も口にせず、どうすれば修理できるかを真剣に検討してくれた。幸い保険を多めに掛けていたので、可能なことは全てやってもらい、そうして新車同然の状態でクルマを受け取ることが出来た。そのとき、不思議とウマの合う店長氏と雑談していて、最近営業が厳しいという話を聞いた。「わたしの若いころは、何をさておいてもクルマだったのですがねえ。」と、残念そうな表情が忘れられない。

その後、我が家のクルマは、修理の甲斐あって快調に走り続け、次々に出てくる新車を横目に見ながら、乗れるところまで乗ってみようという気持ちが固まってきた。それはやはり、サービススタッフの熱意や、商売抜きのクルマ好きとしての付き合いがあったからこそだ。しかし一方では、苦しい時には助けてあげたいとも思うのであり、しばらくは財布と人情の板挟みである。

今回の景気後退では、競争力の弱い自動車会社がいくつか姿を消すだろう。それは多くの人々に大変な試練を与えるはずだ。もしかすると数年後には、自動車業界がもはや主要な産業ではなくなっているかもしれない。この空前の不況を潜り抜けたとき、わたしたちの社会や世界はどう変わっているのか。今までと同じように、呑気にドライブを楽しめる平穏な社会が続くといいのに、と心から思う。

コメント

  1. 自分も10年モノに乗っています。買換えに踏み切れずズルズルときましたが、それだけ愛着が湧いてきて。
    来年3月が車検ですが、決め手となるほしい車もなく、どうしようか考え中です。
    補修剤うまくいきましたよ。

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  2. leftyさん、物持ちのお仲間でしたか。何でも10年も付き合うと、情が湧いて捨てづらくなりますね。わたしのところはそんなものばかりなので、さながら骨董品店のような状態です。それから靴底の補修、うまくいってよかったです。

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