ちいさな器


初対面の人から器が小さいと、言われたことがある。将来のことを話している時だったので、欲のないおまえは小物だ、という意味で使ったのだと思う。20代のころだったので、ひどく自尊心を傷つけられた。だが、野心家ではなく、争い事を嫌い、些細なことで幸せを感じるというタイプなので、否定のしようがなかった。

とある本に、人間はそれぞれの枡を持っていて、分不相応に大きな枡だと、何を入れても満たされることがない、と書いてあった。わたしの場合は、せいぜい一合枡の程度なので、ちょっと入れると直ぐ満杯になる。だから楽しみが小さく、じつにつまらない。さりとて世間に張り合って大きな枡を持つのは、生きていくのにさぞ使い勝手が悪かろうと思う。大切なことは、誰のものでもない、自分で選んだ自前の枡であるということだ。

このごろ、小さな枡、あるいは小さな器でよかったと思うことが多くなった。抱えているものが少ないため、環境の激変に怯えないで済むからだ。縮小経済下の社会でも、ストレスなく暮らせそうなタイプに入るだろう。まあ、今時の表現を借りると、草食系中年種というわけである。

8月の電力使用量、175kWh。前年度比、24%減。冷房を控えたというより、7月に入れた冷蔵庫の恩恵が大であったと推測する。以前のは、小型とはいえ20年前の製品だったので、想像以上に電気を喰っていたのだろう。そしてもうすぐ9月。耐え難い猛暑の日々も、ひと山越えてホッとしている。

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