2012年2月27日月曜日

ハードディスクとおさらば


妻のパソコンがいきなり壊れてしまった。ハードディスクが不快な音を立て、一切の操作を受け付けなくなったのである。仕方なく電源を強制遮断してハードディスクを調べると、物理的に壊れていることが判明した。それに仕事中だったので、それまで作成していたファイルが読み込めないというおまけまでついた。修理に出す時間はなかったので、急遽自分でハードディスクを調達してシステムを入れ替えることになった。

パソコンとは20年以上の付合いだが、これまでハードディスクが壊れたという経験がなく、それでバックアップもほとんど行っていなかった。手痛いしっぺ返しだ。昔の、えらく高価だがこのうえもなく頑丈な作りのものとちがい、現在のハードディスクは薄く軽くて吹けば飛ぶような作り。そんなちゃちな箱の中でモーターがぐるぐる回り、読み取り装置がせわしく動き回るから、感覚的に言っても、そりゃ壊れて当然だ。そういうわけで、このたびグルグルカチャカチャのハードディスクに別れを告げて、代わりに巷で評判のSSDをパソコンに入れてみた。

いやもうびっくり。壊れたのは4年前のMacBookなんだけど、これまでの環境ではちょっと呑気な父さんという感じだった。それがSSDにしたとたん、きびきび働く若者に大変身。起動ボタンを押して、10も数えないうちにスタンバイ。シャットダウンもほとんど即時。アプリケーションはピョンピョン跳ねるように作動する。それに加えて、電池の保ちが格段によくなって、時間を気にせず使えるようになったという嬉しい誤算付き。いかにグルグルカチャカチャが足を引っ張っていたのかということがよくわかった。

それで慌ててもう一方の炉端パソコンもSSDに入れ替えた。こちらはWindowsだけど、Macほど劇的でないにしろ、それでも体感的に2割方動きがよくなった。もちろん電池の保ちはそれ以上。なにより頻繁に持ち歩くので、ハードディスクを不意の衝撃で壊してしまう恐れがなくなったのはありがたい。

最後に、妻のMacBookに取り残されたファイルがどうなったかというと、大切なものはグーグルさんに任せていたので、作成中のもの以外はほとんど被害がなかった。だから新規にOSを入れて、ブラウザをセットし直せばそれで終わりだった。私の方の入れ替えもほとんど同様。よく使うファイルはオンラインストレージに投げているので、パソコンの中にはめぼしいものがない。その代わり通信回線だけが命綱という、いかにも現代風の、危うく儚い暮らしをしているのである。

2012年2月25日土曜日

素晴らしい・・・


ついこの間まで、ニュースといえば大雪の光景だったのが、何のかんのと言いながらちょっとずつ春の気配が増している。夜道を歩いていても、肌を刺すような冷たさが消えて、どこかしら空気が丸く、甘くなってきたのを感じる。季節の変わり目というのは、いつだって悪くないね。

変化があるというのは、良い方向だろうと悪い方向だろうと、、、、もちろん良い方がいいに決まっているが、それは幾つになってもワクワクするものだ。だから風呂に入っていても、特に良いことがなくったって無意識に鼻歌を歌っていたりする。季節柄、この時期だと、やっぱり春を題材にした曲が多くなる。まあ湯船の鼻歌なので、フンフンと調子よく歌える曲、わたしの場合ファドの名曲「ポルトガルの四月」なんかが定番なのである。

それで最近のファドはどんな風に歌われているのだろうかと、YouTubeで調べていたら、久々に素晴らしいファドの歌い手を観ることができた。酔っぱらっていたせいもあったのだけど、聴きながら年甲斐もなくホロリとしてしまった。まったく歌の世界は広い。もうぞっこんなのである。


2012年2月1日水曜日

炉辺のパソコン


全国的に厳しい寒さが続き、各地で電力供給がひっ迫しているという。夏場は電力消費のピーク時を注意すれば済んだものの、冬場はすべての時間帯について電力消費が増えるので、電力会社は大変である。今後も電力の需給が緩和される見込みはないので、けっきょく消費者の我慢と工夫がこれからもずっと要求されるわけだ。

で、1月の電気使用量は243kWh、前年度比50%減となった。これはエアコンによる暖房を止めたせいだが、代わりにガスストーブを点けているので、金額ベースでは減少した電気料金がそのままガス料金に上乗せされた格好に。本当はエネルギー消費全体を減らさなくては意味がないのだろうが、これまでもかなりダイエットしているので相当に難しい課題である。

いろいろ考えた揚句、今年からは暖房をリビングのみに限定して、ほとんどの用事をそこで済ませることにした。つまり、冬の間は自室を放棄してリビングルームに立てこもる、という戦術。とはいっても、二人暮らしなのでそれほど大げさな話ではない。ストーブを挟んで向かい合い、夫々が本を読んだり、家事をしたり、時には茶を啜ったりと、まあそんなところ。ただひとつ、手持ちのパソコンが重く大きいので、その扱いに困った。椅子に腰かけ、膝の上で長時間使うためには、軽くコンパクトで、ちゃんとキーボードが使えないと話にならないのだ。

それで久しぶりにノートパソコンを探したが、運よく2万円程度で十分に使える製品が手に入った。重さはわずか1キロ程度と軽く、そのぶん性能は大したことはないけど、ブラウザを操作したり、文書を作成したりするには全然問題ない。ただメモリが不足気味だったので、奮発して2ギガのメモリと入れ替えたところ、それがなんとまあ、定食屋の昼飯代より安くて驚いてしまった。はるか昔のパソコンの値段を考えると、卒倒しそうなくらいのデフレっぷり。これで儲けようというのが無理な相談だ。

以降、だいたいの用事はその小さなノートパソコン1台で済ましているが、想像した以上に使い勝手が良くて、我ながら意外なほど気に入っている。某社の"i"何とかというタブレット型の製品にも目が行ったのだけど、何よりキーボードが付いていないのが致命的だったし、おまけにこれだけ人気ブランドになってしまうと、いつものへそ曲がりの虫が騒いだ。けっきょく私が選んだのは、某社のブランドイメージとは真逆の、加齢臭漂う不器用な日本企業を代表するメーカーの製品だが、同じ日本人としてなんとなく応援したい気分になったのである。