2014年12月10日水曜日

晩秋の旅 2

国境の町にたどり着いた後、そこからスペインのローカル線に乗り換えて、バスク地方に入ります。
鉄道には詳しくありませんが、単に乗っているだけで嬉しいくちなので、珍しい路線に乗れるとワクワクします。
沿線は順調に開発が進んでいる様子で、意外にスーツ姿の乗降客が多く通勤列車であることが分かります。


ローカル鉄道ですが車両は新しく、しかも清潔感があります。
汚れ放題の隣国フランス国鉄とは大違い(笑。


バスク地方を旅するのは5年ぶり。
最初の訪問でバスクの土地柄や気質が気に入ってしまい、機会があれば何度でも訪れたいと思ってました。
ただアクセスには不便な地域なのでなかなかその機会がなく、今回体調は万全ではないものの折角のチャンスを逃したくなくて、少しばかり無理してやって来た次第。


時期的に雨が多いのですが、今回は天候に恵まれました。
燦々と陽が降り注ぎ、日光浴を楽しむ人たちが目につきました。


前回は、シャワーやトイレが共同の若者向きの安宿でしたが、今回は体を労って上等なホテルを選びました。
普段そういう所には行かないので、少し緊張します。


縦より横の方がずっと長い、ふかふかの巨大な寝台!!


泊まった記念に、ホテルのバーで一杯やってきました。


2014年12月8日月曜日

晩秋の旅

フランスの南西部を旅行しました。
最初に訪れたのはワインで有名なボルドー。
9年ぶりの再訪です。

飲んで食べて散歩する、というだけの緩い旅行なので特に目的はありません。
しかしせっかくの機会なので、現地の観光案内所に立ち寄り相談すると、協会の主催するワインツアーを勧められました。
毎晩人一倍飲んでいるくせに、ワインのことなど全然知らないので参加することにしました。


様々な国の人たちと一緒にバスに乗り、ボルドーの丘陵地帯に点在するワイナリーを訪ねます。
ガイド氏はフラ語と英語を交互にあやつり、それに加えて参加者達のそれぞれの言語が混じり合って、賑やかで楽しい見学会です。
それに引き替え工場の中は、ブドウの収穫、発酵、貯蔵の各工程を終え、厳しい冬に向かって深い静寂が支配しています。


見学会が終わる頃には、日は沈みかけ、ブドウ畑には晩秋の長い陰を引いていました。
そのつかの間の贅沢な風景に、私はしばし呆然と見とれてしまいました。



 当地で投宿したのは、立派なキッチンのついたアパート。
大きな寝室が二つもあり、全体の広さは我が家の優に3倍以上。
生憎広い家には慣れていないので、何をするにも面倒で仕方ありません。
何しろ「立って半畳、寝て一畳」が信条なものですから(笑。


数日間、豪邸の暮らしを体験しました。
しかも長期滞在向けのアパートなので、ホテルよりずっと安いのです。

私の選択



夕飯の買い物ついでに期日前投票に行ってきました。
選挙の争点がないためか、はたまた単に寒さのせいなのか、投票所には誰も来ておらず、係員だけの投票所には寛いだムードが漂っていました。
毎度のことですが、期日前投票に来る人があまりに少ないので、静かな部屋で多くの係員に囲まれていると微妙に緊張します。
たとえ背中しか見せなくとも、書き方で誰に投票したかおおよそ見当がつくでしょうし、国民審査に至っては不適当と考える裁判官に対してのみ×印をつけるのですから、私が何人に×をつけたかくらい筆記音で分かりますからね。
なんとも嫌なものです。

前にも書いたと思いますが、自分はすれっからしの無党派なので、候補者の主義主張にはほとんど関心がありません。
ましてや、自分の一票が国のあり方を変えるなどという妄想もない。
それでも毎度投票だけは行うのは、政治的アパシーを態度で表明することは、民主政治の否定につながるからです。
せめて子孫たちのために、何も出来なくとも自分の意見を言う権利、参政権だけは残してあげたいと思う次第。

思うに、現在進行形で起きている政治的な問題は、おそらく我々の政府がうまく解決できるような性質の問題でない。
急速な社会変動や経済の変貌は、民主主義の手続きによる対応では遅すぎるし、かつ一国の政府だけでは解決不能の広がりを有している。
ではどうすれば良いかというと、正確な現状認識を前提としたより穏当な政策を、辛抱強く支持し続けるしかないと思う。
それがいかに詰まらなくとも、また政治的な興奮をもたらすものでなくとも。
選挙とは、日常的に私たちが処理し続ける事務的な仕事と同じく、極めて退屈な仕事だと思います。

逆に言うと、熱気を孕む選挙は、必ずどこかに誤魔化しや恣意が潜んでいると思うべきじゃないでしょうか。