日本人の正気を疑ったのは、平成の米騒動の時だった。
ジャポニカ米がなければ、何食わぬ顔でタイ米を食べればいいし、それが嫌なら麺でもパンでも食べときゃいい。
食料がなくなったわけでもないのに、まるで飢饉が起きたような狂態ぶりだった。
当時は普通に米を食べてたが、若かったこともあり、和食よりカレー料理に中華料理や東南アジア料理などを好んで作っていた。
だから大喜びでタイ米を買っていたのだか、あまりの不人気ですぐに店頭から消えてしまった。
それで晩飯にバケットを合わせるようになり、30数年後の今もずっとその習慣は続いている。
そして、今回の米騒動である。
コメの小売価格は令和の騒動の時を超えたという。
えっ!?
1993年から30年以上もたっているのに、どうして今まで値段が上がっていなかったのか。
当たり前の社会なら、30年も経てばどんなモノでも値上がりするのが当たり前だ。
そうでないほうがむしろ異常なのに。
パンデミック以降、あらゆるモノが一斉に値上がりし、農家だって燃料、肥料、農機の値上がりで経営が大変だったはず。
だから、コメの値上がりは農家にとっても福音であり、経済が正常化したと喜ぶべきなのだ。
食料自給率の維持にとっても、これは避けては通れない道筋だ。
にもかかわらず、メディアは米を買う人たちの行列風景を垂れ流す。
そして大衆迎合のコメントを並べ、政府の無策を非難している。
日本人の正気を疑ったと書いたが、今では正気どころか意識を失ったゾンビではないかと思う。
あれからずいぶん歳を取った。
脂っこいものを受け付けなくなり、食事の量も少なくなった。
ご飯は毎日一膳ちょっとと汁物一杯。あとはパン食。
どれだけ米の価格が上昇しようが、そんなことは取るに足らないことである。
行列の老人たちも、並んでまで買う必要なんて微塵もないはずだ。
きっと彼らは時間を持て余して、遊んでいるのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿